児童発達支援管理責任者(児発管)とは? 資格の取り方・仕事内容について分かりやすく解説

投稿日:2021-05-13
執筆/編集:

【こんな方におすすめ】
・児童発達支援管理責任者に興味をお持ちの方
・児童発達支援管理責任者を目指している方
・児童発達支援管理責任者の仕事内容を知りたい方

福祉の仕事のうち、特に児童に関わる仕事をしたいと考えている方は、どのような職種があるのか気になりますよね。

特に、平成31年4月より新体系となった児童発達支援管理責任者について、その内容が分かりにくいと困っている人も多いでしょう。

そこで今回は、児童発達支援管理責任者の仕事内容や役割、資格を取得するための要件等を分かりやすくご紹介します。

児童発達支援管理責任者(児発管)とは?

児童発達支援管理責任者は、障害児の保育や療育に関する専門職の1つです。児童福祉法における様々な障害児支援のための施設で働いています。
略して「児発管」と呼ばれることもあり、児童発達支援施設には必ず1名以上の配置が義務付けられています。

利用する児童や家族への支援はもちろんですが、現場職員への指導や助言も行うリーダー的な立場で、ベテラン職員が資格を取得しその役割を担うケースが多いです。

児童発達支援管理責任者の役割とは?

児童発達支援管理責任者は、利用する児童の成長に合わせた個別支援計画書を作成したり、職場の現場リーダー的な役割を担っています。

これはどの職場においても同様で、個別支援計画書の作成には幅広い知識や経験が役立ちます。個別支援計画書に基づいた支援や療育が、組織的にきちんと行えているかどうか管理するのも役割の1つです。

児童発達支援管理責任者(児発管)の仕事内容

具体的に、児童発達支援管理責任者がどのような仕事をするのか、もう少し詳しく見ていきましょう。

個別支援計画書作成について

個別支援計画書は、児童一人ひとりの状態や課題に基づいて作成される、支援の方向性や内容を決めるためのものです。利用する児童への支援や療育は、この計画書に基づいて行われるためとても重要であり、児童発達支援管理責任者の代表的な仕事とも言えるでしょう。

障害児支援の施設は、専門的なサポートが必要な児童が利用します。障害の程度や発達の状態は当然それぞれ違うため、必要な支援内容ももちろん違ってきますよね。
児童発達支援管理責任者は、これら児童の心理面や発達面の課題をきちんと把握し、家族のニーズとも照らし合わせながら目標を立て、目標が達成できるように援助の方針を決めていきます。

さらに細かい支援内容も組み込んでいき、個別支援計画書を作成します。この個別支援計画書の作成は、児童の通う学校の教育支援計画書と可能な限り連携をして実施されていることも求められています。

その他の職務内容

児童発達支援管理責任者には、個別支援計画書作成以外の業務もあります。

例えば、保護者との面談です。
児童の支援や療育がより良い方向に向かうように、普段から保護者と良い関係を築いておくことも大事な仕事です。
不安になった時や困った時に頼れる存在であったり、時には専門的な視点からアドバイスをしたりする役割も担っています。

事務作業や雑務については、職場により内容が異なります。必要な教材の準備や手配などを行ったり、送迎ドライバーも担当したりするケースもあります。

児童発達支援管理責任者も、職場によっては現場に入ることがあります。児童と一緒に遊んだり、学習を支援したりと、個別支援計画書に基づいた支援・療育を行います。

児童発達支援管理責任者(児発管)になるためには?

児童発達支援管理責任者になるためには、大まかに言うと「実務経験の要件」を満たし「研修を修了」する必要があります。

よく、実務経験要件が複雑だ、と言われていますが、確かにその通りかもしれません。

ご存じの方も多いかもしれませんが、この実務経験の要件については、平成31年4月から適用されたものによりさらに複雑になりました。
その一方で、保育所や幼稚園で勤務してきた方や教員免許状の保有者などが要件に加わることとなり、より専門性の高い人材が児童発達支援管理責任者として働きやすくなりました。

実務経験の要件とは

実務経験の要件については、まず以下の3つのいずれかに当てはまり、いずれにおいても老人福祉施設・医療機関等以外での障害者福祉の分野で3年以上の実務経験が必要です。

それでは、詳しく見ていきましょう。

5年以上の相談支援業務

下記a~fの機関で5年以上、且つ高齢者分野での期間を除いて相談支援業務に従事した期間が3年以上必要です。

a.相談支援事業に従事する者

  • 地域生活支援事業
  • 障害児相談支援事業
  • 身体障害者相談支援事業
  • 知的障害者相談支援事業

b.相談機関等において相談支援業務に従事する者

  • 児童相談所
  • 児童家庭支援センター
  • 身体障害者更生相談所
  • 精神障害者社会復帰施設
  • 知的障害者更生相談所
  • 福祉事務所
  • 発達障害者支援センター

c.施設等において相談支援業務に従事する者

  • 障害児入所施設
  • 乳児院
  • 児童養護施設
  • 児童心理治療施設
  • 児童自立支援施設
  • 障害者支援施設
  • 老人福祉施設
  • 精神保健福祉センター
  • 救護施設
  • 更生施設
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院
  • 地域包括支援センター

d.就労支援に関する相談支援の業務に従事する者

  • 障害者職業センター
  • 障害者就業・生活支援センター

e.学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く)において相談支援の業務に従事する者

  • 幼稚園
  • 小学校
  • 中学校
  • 義務教育学校
  • 高等学校
  • 中等教育学校
  • 特別支援学校
  • 高等専門学校

f.医療機関において相談支援業務に従事するもので、次のいずれかに該当する者

  • 病院
  • 診療所

(※ただし、社会福祉主事、相談支援専門員等、保育士、児童指導員、障害者社会復帰指導員であって、上記a~eの実務経験年数が1年以上のものに限られる)

5年(※8年)以上の直接支援業務

下記a~fの機関で5年以上(※社会福祉主事任用資格者等でない場合は8年以上)、且つ高齢者分野での期間を除いて直接支援業務に従事した期間が3年以上必要です。

a.施設等において介護業務に従事する者

  • 障害児入所施設
  • 助産施設
  • 乳児院
  • 母子生活支援施設
  • 保育所
  • 幼保連携型認定こども園
  • 児童厚生施設
  • 児童家庭支援センター
  • 児童養護施設
  • 児童心理治療施設
  • 児童自立支援施設
  • 障害者支援施設
  • 老人福祉施設
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院
  • 病院又は診療所の療養病床関係病室

b.事業所等において介護業務に従事する者

  • 老人居宅介護等事業
  • 障害児通所支援事業
  • 児童自立生活援助事業
  • 放課後児童健全育成事業
  • 子育て短期支援事業
  • 児童養育事業
  • 小規模住居型児童養育事業
  • 家庭的保育事業
  • 小規模保育事業
  • 居宅訪問型保育事業
  • 事業所内保育事業
  • 病児保育
  • 子育て援助活動支援事業
  • 障害福祉サービス事業
  • 老人居宅介護等事業

c.医療機関等において介護業務に従事する者

  • 病院
  • 診療所
  • 薬局
  • 訪問看護事業所

d.障害者雇用事業所において就業支援の業務に従事する者

  • 特例子会社
  • 助成金受給事業所

e.学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く)

  • 幼稚園
  • 小学校
  • 中学校
  • 義務教育学校
  • 高等学校
  • 中等教育学校
  • 特別支援学校
  • 高等専門学校

有資格者としてそれに係る実務経験5年以上+3年以上の相談または直接支援業務

下記の資格保有者としてそれに係る実務経験5年以上、且つこれまでに紹介した機関のうち、高齢者分野を除く機関で相談又は支援業務に従事した期間が3年以上必要です。

医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、管理栄養士、栄養士、精神保健福祉士

ただし、実務経験に含まれる業務の範囲は都道府県により独自の基準が設けられている場合があります。大阪や埼玉では、上記より短い期間でも実務要件を満たすとされているなど、例外もあるため注意が必要です。

最終的には、都道府県のホームページから確認されることをおすすめします。

研修内容について

実務経験の要件を満たす方は、まず児童発達支援管理責任者基礎研修を受講します。基礎研修の受講を終え、相談支援従業者初任者研修(講義部分)を修了している又は平成24年4月1日以前に相談支援の業務に関する研修を修了し、証明書の交付を受けている場合は「基礎研修修了者」となります。

基礎研修修了者が、相談又は直接支援業務2年以上従事した場合、もしくは平成31年3月31日時点で児童発達支援管理責任者研修を修了している場合、児童発達支援管理責任者実践研修を受講することが可能です。
実践研修を修了した後は、5年ごとの児童発達支援管理責任者更新研修も必要です。

※平成31年3月31日時点での児童発達支援管理責任者研修修了者は、平成36年3月31日までは児童発達支援管理責任者としてみなされますが、同日までには児童発達支援管理責任者更新研修修了者になる必要があります。

研修の申し込み方法

研修の申し込みは、各都道府県や、都道府県から研修を委託された事業者に勤務先の法人や事業所が申し込む方法が一般的です。その他には、個人が申し込むことも可能です。
各都道府県や社会福祉協議会のホームページには、研修の日程や開催場所等が記載されており、申込書をダウンロードできます。

研修の受け入れ人数には限りがあるため、日程に余裕をもって申し込まれることをおすすめします。

児童発達支援管理責任者になるにあたっての流れ

  1. 児童発達支援管理責任者基礎研修を受講する
  2. 基礎研修修了者となる
  3. 児童発達支援管理責任者実践研修を受講する
  4. 実践研修修了者となる
  5. 児童発達支援管理責任者の資格取得
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児童発達支援管理責任者(児発管)が働ける職場・就職先

児童発達支援管理責任者が働ける職場はたくさんあります。
児童福祉法で定められて施設においては、必ず1名以上の配置が義務付けられているため、不可欠な存在でもあります。

児童発達支援管理責任者を配置している施設は、通所系と入所系の2種類に分けることができます。

通所系:障害児通所支援施設

  • 児童発達支援センター
  • 児童発達支援事業類型
  • 医療型児童発達支援
  • 放課後等デイサービス
  • 保育所等訪問支援

入所系:障害児入所支援施設

  • 知的障害児施設
  • 第一種自閉症児施設
  • 第二種自閉症児施設
  • 盲児施設
  • ろうあ児施設
  • 肢体不自由児施設
  • 肢体不自由児療護施設
  • 重症心身障害児施設

児童発達支援管理責任者(児発管)の給料事情

児童発達支援管理責任者の平均給与額(月給・常勤)は327,000円でした。他の職種の給与額と比較しますと、介護職員の平均給与額は245,600円、生活相談員・支援相談員は242,700円、介護支援専門員は271,350円となっています。これらはあくまでも平均給与額なので、勤続年数や役職の有無、資格の種類等により異なりますが、他の専門職に比べると児童発達支援管理責任者の給与は高めとなっています。
(※給料の算出はe介護転職に掲載されている求人情報を元に行っています。)

児童発達支援管理責任者(児発管)のメリット・やりがい

児童発達支援管理責任者は、児童一人ひとりの状況に応じた支援計画を立てたり、保護者からの相談ににのったり、他スタッフの指導にあたったりと、とても役割が豊富です。この資格を得るまでの道のりは長いですが、その分専門職としての経験があることの証明にもなります。

現場のリーダー的な存在として、苦労することも多いかもしれませんが、児童の成長を間近に見ることができます。関わる児童が毎日少しずつ出来ることが増えたり、障害を持つ児童の保護者の支えになったりと、児童福祉における大切な仕事であることを実感できるでしょう。

まとめ

今回は、児童発達支援管理責任者の仕事内容や、資格を取得するための要件、資格取得までの流れなどをご紹介しました。
児童発達支援管理責任者の資格に関する情報は、とても複雑で分かりにくいものが多いです。

しかし、資格取得までには年数を要するため、できるだけ確実に情報を把握し、先のことを考えながら着実に準備をすすめていく必要があります。
ぜひ、今回ご紹介した内容を参考にしながら、これまでの専門職としての経験が活かせる児童発達支援管理責任者を目指してみましょう。